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コストってどういう意味か知ってますか?

2006年07月02日
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コストという輸入概念は日本人には馴染みが薄いものです。何を抜かすんじゃい!と怒られる先輩方達もいらっしゃるかと思われますが、でも案外本当かもしれません。私も、日本の商社で働いていた時には理解していたつもりでしたが、今考えると知っていただけで、理解はできていなかったですね。



ということで、コストとは、要は、“何をやるにしても、それを行おうとしている人及び計画に対して、望まざる結果をもたらすであろう物及び事”といえると思います。極端に二文字で表せ!とお叱りをお受けした場合、それは、損失(短所、弱点)、です。よくいわれる費用ではありません!!! あくまで、費用という訳は、もともとコストの持つ一つの意味にすぎません。ですから、何もコストの定義は会計とかファイナンスとか経済とか特定の分野に限り語られる言葉ではないと思います。今まで、仕事と学業を通じて、それなりの英文を読んできましたが、本当にコストは色々な文脈で使用されています。コストという言葉が出てきたときにまず確かめることは、それがどの文脈で使用されているのか。そして、それが、完全に数量的に計れる文脈で使用されているのか。もし、そうでなければ、費用という訳をするのではなく、損失、という感覚で捉えてみるといいと思います。(大抵の場合、英文でコストという表現が出てきた場合、その比較表現として、Benefitという単語が使われますし。(例えば、On one hand, the benefits of . . . . ., and the other hand the costs of. . ..)

どの分野にもまたがって説明可能なひじょーに便利な言葉ですし、使われる文脈がどうしてもビジネス分野が多くなるために、コストというとどうしても、お金のイメージが絡んできてしまう。でも、コスト概念は、いつもお金とかで正確にはかれるものではない。目に見えない物でも、コストになります。例えば、よく言う機会費用です。例えば、二股状況を考えてください。Aさんは非常に聡明で話が合う、でも、きつい。Bさんは、すこしとろいで話あわへん、でも、めっちゃ家庭的で優しい。で、あなたは、Aさんの聡明さに惹かれる一方Bさんの優しさにも惹かれる。さー、どちらかをあなたは、今、選択しないといけない。このときにAさんを選択した場合、Bさんの優しさをあきらめないといけない。そして、この失われた優しさが、機会費用なわけです。コストはいつも量では測れない!
(ちなみに、英語で機会費用はOpportunity Costといいます。(そのままじゃんかよ!!)。多分、この言葉を初めて翻訳した方は、この意味がよく分からなかったんじゃないかなー。だから、そのままOpportunity (=機会) Cost(=費用)と訳したんでしょうね。それだけ、理解しがたい概念なんですよ。実際、この例の場合、機会費用というよりも、機会損失としたほうが日本人的感覚にはフィットする気がするんですけど。でも、機会損失という概念が別にまた存在するんですね。あー、分かりにくい。)

このコストの持つ量的そして質的概念の理解はひじょーに大切だと思います。いつも、コスト=費用的感覚で捉えていると、本当は、状況を質的にしか説明できないような状況でも、会計用語とか、ファイナンスとかの難しい概念を使って、状況を量的に理解してしまう。要は、問題の本質を隠してしまう。そのときはそれでいいけど、時間が経つと何じゃこれー!!!(故松田優作氏)という状況になって、慌てふためく。まー、よくあるパターンですね。ということで、コストの正確な理解は非常に大事、と思われる今日この頃です。さー、シドニーは寒くなってきたぞー。


                   written by downunder



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この記事へのコメント
1. Posted by 瑠璃   2006年07月02日 16:11
downunderさん、初めまして。瑠璃と申します。春に拝見した昨年の記事『数学的思考法』は画面メモしております。
いつも勉強になる記事をありがとうございます。
コストという言葉は、これまで聞いた例では、確かに「経費」が多いです。なぜなら「経費削減」を「コスト削減(カット)」と言うからです。
ですが難しい事はわかりませんが(汗)、それだけではなく【それがそこまでの形や状態になる為にかかったり関わった様々な労力や人件費やお金や事や物すべてを費用?に換算したこと(場合)】もコストと言っていいんじゃないのかナ???と感覚的と申しましょうか感性でそう思えた事があり、そのイミで遣う様になりました。
2. Posted by ひまわり   2006年07月02日 19:18
こんばんは。
コストは費用しか知りませんでしたが、
損失とかいう意味もあるんですね。
シドニーはこれから寒くなるんですか。。。
3. Posted by つかさ:「ソリューション営業の道具箱」   2006年07月02日 19:44
なるほど。
いろいろな解釈が、視野を広げてくれますね。
4. Posted by 1分で成功者に学ぼう!…今別府   2006年07月02日 21:10
なるほど、今までそんなこと考えもしませんでした。
参考になります。
5. Posted by 前向きな心と人のぬくもり   2006年07月02日 21:30

こんにちは。

コストを考えながら、事業も進める。
でもあまりコストのことばかり考えすぎると、発想も小さくなってしまう。
そのあたりが起業のおもしろいところなんでしょうね。
(^○^)

またお立ち寄りください。

ポちっ、ぽチッ!
6. Posted by smooth@マインドマップでビジネス書評   2006年07月02日 23:30
downunderさん、こんばんは!

私たちが考えている以上に「コスト」という言葉の概念が非常に広いことがよくわかりました。

やはり日本語の先入観で物事考えていると、ちょっと危険なんですね・・・。
7. Posted by 重田貴士   2006年07月02日 23:49
down underさん、こんばんは。
そしてhikaruさん、こんばんは。

コストの意味って深いですね。
なるほど、時間効率もその一つなんですね。

hikaruさん、コミュニケーションネタにも、少し考えさせ
られました。
確かに、表面的なコミュニケーションの多いこと。
その点、ビジネスつながりのネタは熱くて、表面的なこと
なんて言っていたら、すぐに見破られちゃいますね。
8. Posted by アナタの深層心理を刺激する ぱぱ☆きんぐ   2006年07月03日 10:34
ご無沙汰していますhikaruさん!
そして始めましてdownunderさん!
ぱぱ☆きんぐです!

日本で使われるコストの定義については
結構あいまいだったりしていますね!

ワタシがお客様に説明するときは
主に「機会損失」を説明します。

少しのお金をケチって
大切なチャンスを逃すのはもったいないですよね!

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