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【仕事】ビジネススキル 提案の技術 資料作成力編

2014年12月13日
資料作成力


 シリーズ提案の技術
導入編
論理的思考力編
仮説検証力編
会議設計力編
資料作成力編

***


仕事をするうえで、誰かに何かを伝えることはとても多い。部下に仕事を依頼したり、上司に案件の承認をお願いしたり、会議で関係者の協力を仰いだりと数え出したらきりがない。このような情報伝達作業、すなわち「提案」がうまくいかないために多くのサラリーマンがストレスを感じている。

ストレス社会において、余計なストレスで戦線離脱しないようにするためにも提案の技術を磨いてストレスフリーな仕事環境を手に入れたいものです。

では、提案をうまくするにはどうしたらよいのでしょうか?

というわけで、サラリーマンのビジネススキルを磨くために、「正しく考え」「正しく伝える」提案の技術について、シリーズでまとめてみたいと思います。


「正しく考え」「正しく伝える」提案の技術は次の4つの能力で構成されます。

1.論理的思考力
2.仮説検証力
3.会議設計力
4.資料作成力


本日は資料作成力についてです。

資料作成力とは・・・
資料は自分の思っていることを相手に的確に伝え、説得するためのツールであり「武器」です。資料作りの大原則は大きく2つあります。

・一目で理解できること
・誰にも誤解されないこと


そのためには、「人の感覚に逆らわない」ことと、「不要な3つを捨てる」ことがポイントです。

(1)人の感覚に逆らわない
・左上から右下に向かう順に配置する
・内容にふさわしい表示をする(矢印の向き等)
・重要なメッセージの強調
・違うものを同列に並べない

(2)不要な3つを捨てる

・不要な情報(スライドや図表など)を捨てる
伝えたいメッセージだけを凝縮させ、必要最低限の情報で資料を構成する。

・不要な文字を捨てる
文章は短く簡潔にし、なくても意味の通じる言葉や冗長な表現を削る。

・不要な属性情報を捨てる
属性情報とは、色、形、線の太さ、字体、影など、文字や図形につけられた装飾。


提案内容は次の5つのステップで資料にまとめます。

1.メッセージ
2.チャート
3.スライド
4.パッケージ
5.マテリアル


それでは順に説明していきます。


1.メッセージ
メッセージとはスライド上部に書かれた「最も伝えたいこと」です。トピックセンテンスと呼ばれる3行程度の文章にまとめ、上段部に書くのが一般的です。言いたいことを強調する場合にボトムセンテンスに1〜2行で書くこともあります。書く内容は「説明」「ファクト」「示唆」です。
※説明、ファクト、示唆については仮説検証力編を参照してください。

メッセージを書く際は、次の4つの要素を念頭に置きながら書きます。

・合目的性
 議論の目的マッチし、相手の論点に答えている

・斬新性
 相手にとって驚きや発見がある

・明確性
 具体的内容が明快に表現されている

・方向性
 具体的なアクションが提示されている

説明・ファクト・示唆にはこれら4つを組み合わせで構成されます。

説明・・・「合目的性」「斬新生」
ファクト・・・「合目的性」「斬新生」「明確性」
示唆・・・「合目的性」「斬新生」「明確性」「方向性」

ロジカルシンキングのスキルがあれば、「合目的性」「明確性」「方向性」の3つはある程度クリアできると思いますが、相手のニーズを理解していないと「斬新生」が無いメッセージになりがちです。

また、わかりやすい文章の書き方として、「簡潔に書く」「言葉を統一する」「印象に配慮する」ことを意識する必要があります。

簡潔に書くためには「クリスタライズ」する必要があります。クリスタライズとは、「アンサーファースト化」「不要語句の削除」「共通項の括り(くくり)出し」「熟語化」することを指します。


2.チャート
チャートとは、図形や絵などで視覚的に表した「グラフ、イラスト、テキストなどの集合体」の事を指します。

チャートは「オブジェクト」と「レイアウト」の2つの概念に分かれます。

・オブジェクト
イラスト、グラフ、テキストの3種類で、これ以上細分化できない単位の「図形」

・レイアウト
4種類のオブジェクトの並べ方。

連関図
物事の因果関係を表す(ex.悪魔のサイクル、好循環)

フロー図
ある事象の流れを表すのに用いる(ex.バリューチェーン、日程図)

樹形図
論理の構成を表すのに用いる(ex.ロジックツリー、イシューツリー)

テーブル図
縦横に意味を持たせ、整理するのに用いる(ex.表)

チェートをわかりやすく仕上げるための3つのポイント

・極力図形にする
・タイトルをきっちりとつける
・強調すべき場所を明示する

言いたいメッセージに対して、適したレイアウトをうまく組み合わせて表現することがポイントです。


3.スライド
スライドとは、メッセージやチャートが配置された、実際のプレゼンテーションで用いる資料の1ページの事です。上段部にトピックセンテンスを入れ、チャートと対応させます。

完成度を高める3つのコツ
・読む順序を考えて左上から右下に配置する
・紙面を最大限に活用する
・高さや位置をそろえて整然と並べる


4.パッケージ
パッケージとは、複数のスライドを並べ替え、1つのストーリーを構成したものである。相手に理解される並べ方にするには、次の3つが求められるます。

・示唆を必ず含める
・相手の論理に合わせる
相手の思考パターンは「全体観派か芋蔓派か」と「トップダウン派かボトムアップ派か」の2×2の4パターン存在します。

・3つの切り口を使い分ける
報告書や提案書には、使用局面に応じたまとめ方があり、「作業ベース」「項目ベース」「論点ベース」の3つの切り口が用いられます。

・作業ベース
「どのような作業をしたか」という観点でまとめるやり方。長所はどのような作業をしたかが分かりやすいが、結論が分かりづらい。簡単な作業進捗報告には向いているが、重要な意思決定を行う会議では使ってはならない。

・項目ベース
ある視点に基づく「フレームワーク」で内容をまとめるやり方。抜け落ち感がない長所があるが、結論が分かりづらく、どのように検討したのかわからない。全体観が必要となる報告会では有効だが、短時間でポイントを伝えたい場合には向かない。

・論点ベース
相手に伝えたいメッセージ別に内容をまとめるやり方である。端的に言いたいことが伝わる長所があるが、全体観が出ず、具体的にどのような検討がなされたのか分からないデメリットがある。短時間で言いたいことを伝えなければならない会議や、最後のまとめなどに用いられる。


5.マテリアル
マテリアルとは、ある会議のために作成された完成版の資料群のことでです。マテリアルは8つのパッケージで構成されます。

・サマリー
内容を簡単にまとめたもの。高度に情報を集約させ、キレのある示唆を書く必要があるため、作成の難易度は非常に高い。

・前提
過去の経緯、その会議に至る背景や目的などをまとめたパッケージである。

・全体像
論点の全体像や検証のタスク、その日の位置づけなどをまとめたパッケージである。

・内容
会議の直接の議題に対しての説明やファクト、示唆がもりこまれた複数パッケージの集合体であり、ふつう最もボリュームが大きい。

・論点ペーパー
「本日の議題」「フィードバックいただきたいポイント」などを明記した程度の簡単なパッケージ。

・フォーマット
会議出席者が書き込めるように、質問項目と答えの記述欄を設けた「記入用紙」のパッケージである。

・スケジュール
直近の作業計画が書かれた小日程と、最終ゴールをどこに設定し、いつまでに何を行うかという大日程がセットになったパッケージ。

・参考データ
内容のストーリーに組み込めなかったスライドの寄せ集め。

最終回になりましたがこれだけの知識をインプットしてもすぐに提案力が身につくわけではありません。

これら意識して、日々業務に取り組むことで徐々に磨かれていくものです。自分の仕事を振り返ると、あらためて自分の弱点に気づかされます。

逆に言えば、自分の弱点に気づくことができれば、すぐに効果が表れる可能性があります。

できることは今すぐに取り入れていきたいですね!

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